熊本市電車部の設置
熊本市は電車に関する計画・調査などは当初土木係で行われていたが、大11(1922).8.1に電車の市営化が決定すると、同8.5には南千反畑町の市役所内に初めて「電車部」を設置した。これが後の「交通局」の草分けである。初代の部長には淡路電燈株式会社の創立者で、電気事業には経験の厚かった松尾寛二第二助役が選ばれた。彼はさらに、同じく工務・車両・総務の各係長に選ばれた3人を中心として、電車会社や市役所などの職員を任用して部の構成に力を注いだ。また彼らは、線路の実測・工事の設計や財政計画などを立てて電車敷設の諸準備に着手し、同10.24付をもって軌道敷設特許権継承と電気事業譲渡の許可を各主務大臣に申請した。この結果特許権の譲り受け許可は大12(1923).3.26に、また電気事業認可は同3.31となった。